系統

系統:	HWY (Hairless Wistar Yagi) rat
キーワード:	無毛
由来:	1982年に日本Charles RiverのWistar系繁殖コロニー（Crj: Wistar）内で発見され、その後八木記念パークにおいて近交化された。現在、日本 SLCから入手可能である。
表現型・病態:	雌雄とも離乳時には短い縮毛が粗生しているものの、１ヶ月 齢頃より頸背部から脱毛が始まり、２～３ヶ月齢では前頭部・四肢・尾部を除きほぼ 完全な無毛状態を呈する。胸腺は肉眼的に正常で、胸腺の比体重値もCrj: Wistar系と差は認められなかった。 正常被毛を有する系統との交配実験から、全てのF1は縮れた 粗毛を一生有するという両者の中間型を示し、F2世代では無毛：粗毛：正常被毛が１ ：２：１に分離することから、この被毛異常形質は常染色体不完全優性遺伝によるこ とが示唆された。 また優性遺伝子（Ht）によるヘアレスラットとの交 配実験から、HlはHtとは異なる常染色体上にある別の遺伝子であるこ とが示唆された。
病因（原因遺伝子）:	被毛異常形質は常染色体上不完全優性遺伝子（Hl） による。
臨床への応用、有用性:	脱毛症、皮膚毒性に関するモデル
維持機関:	日本SLC 東京大学農学部実験動物学教室 (1999年8月1日現在)
文献:	Ishii, Y., Tsutsui, S., Doi, K., and Itagaki, S. Hair follicles of young Wistar strain hairless rats: a histological study. Journal of Anatomy, 191 (Pt 1), 99-106 (1997). Itagaki, S., Ishii, Y., Lee, M. J., and Doi, K. Dermal histology of hairless rat derived from Wistar strain. Experimental Animals, 44 (4), 279-284 (1995). 大野京子、上田志津香、近藤恭司 、田中正志、武井幸雄 Wistar系由来のヘアレスラット ラボラトリーアニマル, 4 (5),12-13 (1987)
執筆者記録:	石井寿幸（東京大学）1999年8月1日
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