系統
系統:  DRU/Chu/Ut (Donryu-derived rat strain of Utsunomiya University) 
キーワード:  遺伝性小眼球症、視神経、視覚中枢、上丘 
由来:  1975年 実験動物中央研究所にてドンリュウ系より突然変異として発現、1975-1989年まで千葉大にて継代、1989年に宇都宮大に導入、1995年01月17日現在 F8 
表現型・病態:  遺伝性小眼球症、視神経欠損、視覚中枢の萎縮・形成不全 外見的症状:出生時には眼の膨らみが見られず、頭部から鼻部にかけて直線状に細くなる。生後15日以降にも眼瞼は開くことなく眼瞼部の切れ込みは短い。離乳時になると眼の部分はくぼみ、閉じた眼瞼部には目やにのようなものが付着する。一部には眼瞼の開く個体も見られるがその程度はわずかである。  解剖学的:眼球に種々の変異。両側とも無眼球、一側が無眼球で他側が小眼球、両眼とも小眼球などである。視神経については無眼球の場合は眼底部より十字部までの視神経が欠失。小眼球の場合は視神経が細くなるかもしくは欠失。脳に負いてゃ視神経一次終止核に発育、形成不全が見られる。  発生学的:妊娠13日まで顕著な影響を認めず。14日になると水晶体上皮の分化異常を認める。神経芽細胞層の分化は著しく阻害され、その厚さは正常胎仔の約1/2。16日になると水晶体上皮細胞の配列の不整が見られる。神経芽細胞の分化は完全に停止し、退行性変化が認められる。 
病因(原因遺伝子):  育成経過および交配実験の成績からこの異常形質が遺伝的なものであることは疑いないが遺伝様式は複雑である。 
臨床への応用、有用性:  脳・神経系、視覚器系、神経科学、行動学的研究
後発無眼球症、視神経形成不全、視神経萎縮症などのモデルになる可能性を有す。 
維持機関:  宇都宮大学農学部生物生産科学科機能形態学研究室 
文献:  Sugita S, Otani K and Tokunaga A Distribution of the tecto-thalamic projection neurons in the hereditary micropthalmic rat. Exp. Brain Res. 60: 564-575,1985 Sugita S, Otani K, Toyonaga T Projections from the superior colliculus to the ventral lateral geniculate nucleus in the hereditarily microphthalmic rat. Neurosci. Res. 7: 199-207, 1989 Sugita S and Otani K Quantitative analysis of the striate cortex in the mutant microphthalmic rat. Exp. Neurol. 85: 584-596, 1984 
執筆者記録:  森田眞紀(京都大学) 2003年2月, TS:4/21/03 
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