系統
系統:  KHR (Kaken hairless rat) 
キーワード:  皮膚疾患、無毛症 
由来:  1987年に科研製薬株式会社総合研究所で維持されるGunn'sラットのコロニー中に見いだされた。2002年6月19日にF36世代が京都大学大学院医学研究科附属動物実験施設に導入。 
表現型・病態:  ホモ(khr/khr)個体は出生時の短く、縮れた触毛により見分けられる。3~4週令で典型的な無毛症を呈する。6週令までにまばらで短い被毛となり、10週令には再びほとんど無毛を呈し、短くまばらな毛が顔を被う。成熟個体は頭頂部および鼻端に短くまばらな被毛を保つ。khr/khr個体は一般に正常同腹仔よりやや小さい。  khr/khr個体はヘテロ(khr/+)個体と比較して雌雄とも4週令から体重増加が悪い。雌雄とも妊性を認め、産仔数は正常である。しかし、雌雄ともkhr/khrから生まれた胎仔の離乳率はkhr/+雌とkhr/khr雄からの約50%である。khr/khr雌は哺乳あるいは授乳能力に欠く可能性を示唆される。 
病因(原因遺伝子):  無毛症の表現型はGunn'sラットのミューテーション(Ugtl)の影響を受けず常染色体劣性遺伝により制御される。  この無毛症の原因遺伝子(khr)はChr 7末端にあり、khr周囲のマッピングオーダーと距離は、D7Mitl2 (bzrp), D7Rat11 - 4.2 eM - D7Mit2 - 12.5 eM - khr, perf, D7Mit8, D7Rat3, D7Rat80と解明された。無毛の発症がKHRと類似したもう一つの無毛症ミュータントshorn (shn)はperf近傍の同領域にマッピングされており、khrはshnと同じ遺伝子座のミュータント対立遺伝子と考えられる。khrが位置付けられたChr 7末端は、マウスのChr 15 (55-58)と、ヒトのChr 12q12-q13と一致する。 
臨床への応用、有用性:  皮膚疾患、無毛症 
維持機関:  京都大学大学院医学研究科動物実験施設 
文献:  Kuramoto T, Kimura K, Komori A, Gohma H, Serikawa T Kaken kairless (khr), a hair loss mutation on rat chromosome 7 The XIVth international workshop on genetic systems in the rat 
執筆者記録:  森田眞紀(京都大学)4/2/2003, TS:4/22/03 
close window to return to the search page.